機械式アラームの巻真交換&OH
今回は、レビュートーメンの「クリケット」というアラーム機能付き手巻き腕時計のオーバーホール事例をご紹介します。
1. 故障状況
お預かりした時計を拝見したところ、2時側のアラームをON/OFFおよびアラーム用ゼンマイを巻き上げるリューズと巻真が抜けている状態でした。
さらに、巻真はネジの螺旋の途中で折れており、恐らく油切れによって巻き上げが重くなり、使用中に強く引っ張ったことで破損したものと考えられます。
2. 修理内容
今回の修理は以下のセットで実施しました:
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ムーブメントのオーバーホール
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巻真の新規作製・交換
3. オーバーホール作業
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ムーブメントを分解し、ベンジンで下洗い
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超音波洗浄機で仕上げ洗浄後、乾燥
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輪列組立・精度調整
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アラーム機構の組立・動作チェック
精度調整について
ヒゲゼンマイの外端が片当てになっており、緩急針のヒゲ棒の外側に寄っている状態でした。
このままでは大きく進む進み傾向が出てしまいます。
ヒゲをヒゲ棒の中心で均衡させ、両アオリ状態に調整することで、有効長が長くなり、等時性が向上しました。
4. オーバーホール完了
組立と調整後、ムーブメントは美しく整い、アラームも正常に作動するようになりました。
続いて、破損していた巻真の交換作業に進みます。